うそをつく女
うでに緊張感がない女が
うそをついている
もうすこしで夜の雑多に紛れ込むのを
しっているからだ
それはアサハカなうそだから
「もうそろそろ電車がなくなります」
なんて囁いている
このままじっとりした男の手をとって
「どうしましょうか・・?」と
笑っている
ぶらさがる緊張感のないうでが
どうしようもない時間をすれっからす
お願いだ
落ちるなら
堕ちることをよろこんでくれ
そして勝手に抱き合ってくれ
タクシーがきたようですから
(C) 2005