月をみるな



月を見るなと

あの人は言ったけれど

わけも言わずに

逝ってしまった

寂しい話をして

三日月にあやまります

夜風の自転車がいけないの

浮いた体じゃ

見上げるしかないじゃないの

仕事を休んで

過ごしている夜だから

乗っていただろう電車は銀河鉄道

星よりも

星よりも

月をみるよ

ぶらさがってみたいよ

あの人と

そこからだったら

もうひとつ月が

みえるかもしれないし

見るなだなんて

きっと言わないでしょう

                   



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