この胸の旨
昨夜には
こころなんだか
熱を持って
眠れなくて
朝になってしまった
おせわになりました
もう少しで読み終えたはずの本
なかなか進まない
たった10頁なのに
1000頁分の気がする
やめた
朝まで
この熱をかかえたまま
黙っていよう
透き通ってゆくね肌・・
眠らないと
なにやら
同情の気配の
皮膚のまやかし
もういいや
そんなもの
またみつけられる
1000頁を
読み終えたら
図書館に行こう
夜は
酒を呑んでみよう
ちゃんと呑んでみよう
ひとり
味を確かめて
この胸の旨
伝えられるように
大人の女でいられるように
手をつないでも
感じなくなれれば
熱も下がった証だけど
あのひとことがなかったら
こんな熱
知らなかったのよ
無邪気なんて大嫌いよ・・
それが
私の
役どころ
そうなんでしょう?

(C) 2005