アカペラなんかじゃうたえない



たくさんのひとに




囲まれて

迎えられても

私の隣には

だれもいない

素敵といわれ

魅力的といわれ

一緒にいると楽しいといわれ

大好きだといわれても

私の隣には

だれもいない

朝も

昼も

夜も

今日も

明日も

昨日も

今も

昔も

私の隣には

だれもいない



私の隣に

誰かいる

そうおもいたい

闇の向こうから

聴こえるのは

私の声

男か女か

わかんないといわれた

懐かしい声

この声に何を思う

泣きたくても泣けなかった日とか

やめてしまいたかった生き様とか

嘘だと知っていても預けた体とか

よわってるときにこないでよといったひととか

どうしてわたしは唄ってるんだろう

考える時間をちょうだいな

となりの席はいつもあいてるよ

ここは

神様の特別シートなんかじゃないんだ

少し苦しいのだ

からだが冷たくて

いやなのだ

ウクレレをかかえてれば

きがつかないくせにな

手放したとたん

苦しくなるのだ

アカペラなんかじゃ

うたえないくせに

鼻歌がとまらないのは

生きているからだと思いたい

                   



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